「パフォーマンスを上げたいなら、白米を丼で食べろ!」

「ダイエット中なんだから、お米やパンは絶対にNG!」

「炭水化物(糖質)」に対して、このような両極端なイメージをお持ちではないでしょうか?

アスリートにとっては最高のエネルギー源として推奨され、ダイエット中の女性にとっては「太る元凶」として真っ先に食事から抜かれてしまう糖質。

しかし、もしその「極端に食べる」または「極端に抜く」という考え方こそが、あなたのパフォーマンスを下げ、ダイエットを失敗させている原因だとしたら…?


はじめに

こんにちは。帯広パーソナルジムJuntosの安藤です。

最新の栄養学では、糖質は「敵」か「味方」かという単純な二元論では語られません。重要なのは、糖質を「抜く」ことではなく、自分の目的に合わせて賢く「選ぶ」ことです。

この記事では、アスリートの身体を動かす「ガソリン」としての役割、そしてダイエットを成功させるための「賢い摂り方」について、科学的根拠に基づき徹底解説します。

1. 糖質(炭水化物)の本当の役割とは?

まず知っておきたいのは、炭水化物が「糖質+食物繊維」で構成されていることです。

そして、「糖質」の最も重要な役割は、身体と脳を動かすための最優先エネルギー源であることです。

車がガソリンなしでは走れないのと同じで、私たちの身体も糖質なしでは最高のパフォーマンスを発揮できません。特に脳は、ブドウ糖(糖質が分解されたもの)を主なエネルギー源としており、集中力や判断力にも深く関わっています。

2.【アスリート向け】糖質はパフォーマンスの「ガソリン」である

中学生アスリートやスポーツ愛好家にとって、糖質は「最強のエネルギー源」です。

筋肉のエネルギー貯蔵庫「グリコーゲン」

私たちが摂取した糖質は、「グリコーゲン」という形で筋肉や肝臓に貯蔵されます。

これが運動時のメインエネルギー、つまりガソリンとなります。 練習や試合でハードに動くと、このグリコーゲンが一気に消費されます。

糖質が不足するとどうなる?

  1. スタミナ切れ(ガス欠): 筋肉のグリコーゲンが枯渇すると、身体は急激にパワーダウンします。試合の後半で足が動かなくなるのは、これが大きな原因です。
  2. 筋肉が分解される: 身体はエネルギー不足を補うため、なんと自らの筋肉を分解して(糖新生)エネルギーを作ろうとします。これは、「強くなるために練習しているのに、練習すればするほど筋肉が減っていく」という最悪の事態です。

練習で力を出し切り、かつ筋肉を成長させるためには、練習前後に適切な糖質を補給し、グリコーゲンを満タンにしておくことが不可欠なのです。

3.【大人の女性向け】「糖質=太る」のウソとホント

次に、糖質制限ダイエットなど、「糖質=太る」というイメージについて解説します。

ウソ:糖質自体が太るのではない

太る直接的な原因は、糖質ではなく「消費カロリー < 摂取カロリー」の状態が続くことです。

糖質を摂ったから太るのではなく、「過剰に摂りすぎている」ことが問題なのです。

また、問題なのは糖質の「量」だけでなく、血糖値を急上昇させる「質」にもあります。

ホント:極端な糖質制限の危険性

糖質を極端に抜くと、一時的に体重は落ちるかもしれません。しかし、それには大きなリスクが伴います。

  1. 代謝の低下とリバウンド: エネルギー不足を補うために筋肉が分解され、基礎代謝が低下。結果として「痩せにくく、太りやすい体」になり、食事を戻した途端にリバウンドします。
  2. 食物繊維の不足: お米や芋類を抜くことで、重要な食物繊維が不足し、腸内環境が悪化。便秘や肌荒れの原因になります。
  3. 集中力の低下とストレス: 脳のエネルギーが不足し、イライラしたり、仕事に集中できなくなったりします。

健康的なダイエットとは、糖質を敵視して抜くことではなく、適量を「選んで」食べ、満足感を得ながら代謝を維持することです。

4. 賢い糖質の「選び方」と「食べ方」

では、どのように糖質を「選べば」良いのでしょうか?鍵は2つあります。

①「精製度」で選ぶ(白より茶色を)

  • 避けるべき(精製された糖質): 白米、食パン、うどん、菓子パン、お菓子
  • 選ぶべき(未精製の糖質): 玄米、雑穀米、オートミール、全粒粉パン、そば、芋類、かぼちゃ

未精製の「茶色い」炭水化物は、ビタミン、ミネラル、そして食物繊維が豊富です。

食物繊維は、次の「GI値」にも深く関係します。

②「GI値」を意識する

GI値とは、食後の血糖値の上昇スピードを示す数値です。

  • 高GI食品(血糖値が急上昇): 白米、パン、お菓子など。血糖値が急上昇すると、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。インスリンには脂肪を蓄積させる働きがあるため、太る原因になります。
  • 低GI食品(血糖値が穏やか): 玄米、そば、芋類など。食物繊維が豊富なため吸収が穏やかで、インスリンの分泌も抑えられ、脂肪になりにくいのが特徴です。

【使い分け戦略】

  • 大人の女性(ダイエット): 日常の食事は「低GI」の糖質を選び、血糖値を安定させることが最優先。
  • アスリート: 普段は「低GI」が基本ですが、練習直後のエネルギーが枯渇したタイミングだけは、あえて「高GI」のおにぎりなどを摂り、素早くグリコーゲンを回復させるという戦略も有効です。
食べ方:「ベジファースト」

同じ食事でも、野菜(食物繊維)から先に食べる「ベジファースト」を実践するだけで、血糖値の急上昇を劇的に抑えることができます。

5. まとめ

糖質は「敵」ではありません。あなたの目的を達成するための、最も重要な「パートナー」です。

  • アスリートは、パフォーマンスを最大化する「ガソリン」として。
  • 大人の女性は、代謝を維持し、健康的に痩せるための「エネルギー源」として。

大切なのは、自分の目的に合わせて「質」「量」「タイミング」を賢く選ぶこと。

「自分には、どの糖質が、どれくらい必要なんだろう?」 「もっと具体的な食事プランが知りたい」

帯広パーソナルジムJuntosでは、理学療法士の国家資格を持つトレーナーが、あなたの身体の状態と目標に合わせた最適な栄養戦略をトータルでご提案します。十勝で本気で身体を変えたい方は、ぜひ一度ご相談ください。